[タイトル] First performance(2日目)

[年 月 日 ] 1981年04月07日(火)

[会 場 名 ] 渋谷 Egg man

[演奏者名]

Wha-ha-ha

小川美潮:vo 坂田明:vo,sax 千野秀一:kb 神谷重則:synth

ゲスト

永田“ドンベイ”純:bass 村上“ポンタ”秀一:ds 仙波清彦:per 藤井“MA*TO”将登:comp

[演奏曲名]

01.MY HAPPINESS (is not yours) 02.TACTICS 03.Wha-ha-wha-ha

休憩

04.INANAKI(pf solo by 千野秀一) 05.interplay to the next tune 06.On The Floor 07.drums solo by Ponta 08.Rice and Soy(米とショーユ) 09.percussion solo by 仙波清彦 10.monologue by 坂田明 11.ZOO

[コメント]

本来は関係者のみを招待したクローズドのライブだったようです。私はと言えば只の一般人として,招待などされていなかっ たことだけは確かです。どうやって潜り込んだのか? 全然記憶にありません。とにかく行ってみて,入れれば“ラッキー!”程度のノリだったのではないでしょうか。一日目は込んでいてまともに入れず,二日目にうまく潜り込んだのでしょう。今日こそは美潮さんを見るぞと早めに来ては見たものの,会場内はやっぱりすごい人でした。初めての美潮さんのライブでした。この時点でまだLPは聴いていません。この2日間の模様が加工され,「ライブ・ダブ」として9月に発表されたのでした。LP「死ぬときは別」と45回転の30cmEP「ライブ・ダブ」を実家に帰って聞き直してみて(なにせ,レコードプレーヤーなど自宅にない!),改めてバンドの演奏と美潮さんの声の凄さを実感しました。ちなみに,LP「下駄はいてこなくちゃ」のライナー(か,またどこかでもらったチラシか)にいろいろ書いてあって,そこに”はにわ”の言い回しを発見したのでした。

[実  況]

チューニングの音がしてメンバーの入場。美潮さんのMCで開演。まずはメンバー紹介。
(MC:美潮)「昨日に引き続いて皆さんたくさんの方が来てくださいましてうれしく思います。どうもありがとう。僭越ながらという言葉を昨日から使い始めましたが,僭越ながら私の方から今日集いましたメンバーを御紹介したいと思います。まずドラムスですがよくご存じのポの付く人で,ぽんかというとそうではなく,ぽんとでもなくて・・,つまんないことを言ってないで,ポンタさんです,村上秀一。それから,レコードの方ではベースはいろいろ機械とかですが,一緒にチャクラでやっているベースの人です。ドンベイです。奥まったところですが,コンピューター係です。ミスターコンペーター,MA*TOです。趣味か実益か」・・ここでいきなり“ペンチー”の声,ポンタさんがドラムの調整をするために叫んだ声が飛び,「パーカッションは“ペンチー仙波清彦”こと仙波清彦師匠。とてもおしゃまな千野秀一,大人の雰囲気の神谷重則,特に特徴というものはないけど(!?),サックス・その他いろいろ,坂田明」(とここで坂田明にバトンタッチして)「そして小川美潮です。最後までゆっくりお聞きください」と。
フージョンバンドの様に始まった一曲目の「MY HAPPINESS (is not yours)」,.ヴォーカルは美潮と坂田,途中のサックスソロは坂田,突然,“そう言うわけで”,と言う声から所謂“ハナモゲラ語”の浄瑠璃のような語り,合いの手の仙波清彦のパーカッションが歌舞伎のような雰囲気を盛り上げる。一転田中角栄元首相の物まねで“この際死ぬときは別だから”の発声で,再び曲に戻る。二曲目は,シーケンサーのベースに千野さんのぱらぱらエレピと神谷氏のシンセをバックに,艶やかなスキャットの「TACTICS」。(この曲は資生堂のTVCMでも演っていた。)三曲目は,叩くようなシーケンサーで変拍子を刻む,「ワハワハ」。ポンタと仙波さんの打ち出すリズムは,間(ま)の細かさが凄い。途中で,観客席に向かって“こっち半分”とか“皆さんも一緒に”などといいながらひたすら“ワハワハ”。でも変拍子なので出がむずかしくて客席からはほとんど声が出ない。美潮さんと坂田さんが“せーの”と声をかけてくれる。途中から“ワハワハ”が“バカバカ”になり,二人がハナモゲラ和歌をユニゾる。あとはこれもスキャットと言うのか,言葉をパーカッション的にリズムよくたたきつける様。一旦10分の休憩。後半はドラの音から再び強烈なリズムをバックに美潮さんのスキャットの「イナナキ」。美潮ボイスの高音の伸びが凄い。ソロはサックスとエレピ。次は足踏みとパーカッションからバンド全部がインプロビゼーションの名前の無い曲。続けて「On The Floor」。ポンタさんのドラムソロ。リズムマシン(シーケンサー)にのって「米とショーユ」,歌詞自体がジャズマン(芸能界?)の隠語の様な(ひっくり返しただけ)もの。スキャットとか,ハナモゲラ語とか,歌詞の持つ意味が無くなり,美潮さんや坂田氏の声そのものを効果音の様に使っている。仙波氏の声で“ただいまから仙波清彦ソロに入ります”と様々なパーカッション,特に自らの顔を叩いたり,スッポンポンと口を叩いたり,カウベルや木魚の音階,コンガ,洗濯板等々ありとあらゆるものでちょんわちょんわちょんわとリズムの嵐。会場からのリクエストで牛さん・ヤギさん・バナナ(違いがよく解らない!)。“しかしながらトマトの年代はどこまでいったのだろうか,年表には載っていない・・・”と坂田氏のモノログ。古今亭志ん生や田中角栄の物まね。でたらめ謡曲の途中でタイミングよく仙波さんの“キン”と合いの手がはいり“意表を突いた出方である。”と応酬する。謡曲の“シャバダウビダバ,ザバザバ,シャバザバ,ウビズバ”から「ZOO」に。4ビートのドドンパ。間奏に美潮さんの即興でのモノログ入り。先生に反抗する生徒役で,学校が動物園と言うパロディらしい。ソロはサックスとピアノ。坂田氏のサッチモ(ルイ・アームストロングのこと)ばりのスキャット。最後にもう一度メンバー紹介をしておしまい。アンコールはなし。一言 凄かった!!

(情報提供:yam)